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【Blog】新宿二丁目のトランスジェンダー写真展

魔窟でもあり聖地でもある新宿二丁目。

トランスジェンダーの写真展が催されるとのことで、

サロンのコンセプト的にもドンピシャなイベントだったので観覧してきました。



写真展『Exhibition I am transgender diversity』 ⇒ https://lgbtcath.com/archives/327/
『akta』コミュニティセンター ⇒ http://akta.jp/community-center/

16時~22時と遅めの開場ですが、お時間が合う方は足を運ばれてはいかがでしょう。

見終わった後で新宿二丁目のお店を楽しむプランもありですしね。


飾られた写真の13人の被写体はまさに十人十色。

ドラァグクイーンの様相の方から、元の性別を意識させないナチュラルな方まで。

東京メトロ新宿御苑前駅を舞台に撮影されたであろう光景は、

トランスジェンダーが現実と地続きの存在なのだと確かに教えてくれます。


セクシュアルマイノリティはしばしばカテゴライズが難しいと言われますが、

その境界線は水彩画のようにぼやけています。

最終的にラベリング自体にそれほど意味はないと気づくのです。

たとえば趣味や性癖や食べ物の好みが人それぞれであるように、

一人の人間であり一つの個性。

それこそが揺るぎない厳然とした事実なのだと思います。


写真展初日の11/21はゲスト二人によるトークショーも行われました。

トランスジェンダー文筆家の『畑野とまと』さん。

ブラジルのジャーナリストであり写真展撮影者の『ビアンカ・バスコンセロス』さん。

日本とブラジル、それぞれでのトランスジェンダーの歴史や性事情等々が語られました。


時にトランスジェンダーが華々しくかつ奇異なイメージを持って見られるのは、

ナイトワーカーとしての側面が色濃いからかもしれません。

ただしその深層には社会的排他や暴力や迫害やトランスジェンダー自身の葛藤があり、

その傾向は日本以外の海外ではより顕著になります。


私もMtFとしての歩みをはじめ社会生活を営みたいと思った時、

働き口の圧倒的な狭さに絶望を覚えました。

目につく仕事は風俗や水商売ばかり。

ダイバーシティと謳われ、LGBTQの社会参画が認知されるようになったのは

ここ近年の出来事で、それもまだ一部の世界でしか通用しない価値観なのです。


他方、トランスジェンダーは己の腕一本で糊口を凌ぐのだという

フリーランスで活躍される人も多くいます。

士業、デザイナー、クリエイター、メイクアップアーティストやそしてセラピスト。

社会には頼れないという強い気概が強い自立心に結びつくのかもしれません。


自らの性自認やパーソナリティの落としどころを上手に見つけ

地に足をつけて生きられるトランスジェンダーがどれだけいるのだろうかと考えます。


個人的にはトランスジェンダーの感性の鋭さや社交能力の高さは

癒しを本分としたセラピストという職業に適性があると確信を抱いています。

かつて生き方や就職に困った私と同じように、

立ち位置に惑うトランスジェンダーの後進がいたら、その道しるべの一つになりたい。

静かながらも断固とした使命感。

そんなことを思いながら仕事に精を出す毎日なのです。

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